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   『ドリトル先生の動物園』 ドリトル先生物語全集5

小B6判 『ドリトル先生の動物園』 この画像はリンクしていません

菊判(21.8×15.2cm)・小B6判(17.2×12cm)
(イギリス)
ヒュー・ロフティング 作・さし絵
井伏 鱒二(ますじ) 訳
岩波書店
菊判 ¥1,638(¥1,560+税5%)
小B6判 岩波少年文庫 ¥756(¥720+税5%)    


「ドリトル先生物語全集」の第五作

「ドリトル先生物語」の5冊目。物語の内容から考えた年代順では、7番目で、『ドリトル先生航海記』のラストから続く物語です。1925年(大正14年)発表。


『ドリトル先生の動物園』のあらすじ(冒頭部分のみ)

ドリトル先生の一行は、海カタツムリに送られて、懐かしい故郷の浜辺に着きます。一行は、海に帰ってゆく海カタツムリを見送り、パドルビーの町へ向かって歩き出します。

ほどなく、霧の中から二羽のカモが舞い降りて、アヒルのダブダブに頼まれたと言って、買い物のリストをドリトル先生に伝えます。

そこで一行は、ジップに霧の中の道案内をしてもらって沼地の中を進み、トミーだけが買い物をするため、市場へ向かいます。

3年もの長い旅をしてきたトミーはすっかり背が伸びて、自分が別人のように成長していることを知っています。それで、顔見知りの人たちが自分とすれ違っても気付かないことを、くすくす笑って楽しんでいました。

そして、トミーは懐かしい友だちのネコ肉屋のマシュー・マグを見つけます。

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長く留守にした「我が家」で動物たちの理想の町を

この巻では、またトミー少年が語り手を務めます。お話は『ドリトル先生航海記』のラストの場面の続きとなっていますので、航海の後の物語をすぐ知りたい方は『ドリトル先生の郵便局』や、『ドリトル先生のサーカス』を飛ばして、すぐこの巻をお読みになれば良いと思います。

この巻は、タイトル通り、ドリトル先生が作る動物園のお話です。動物と話すことができるドリトル先生の作る動物園は、想像しただけでも楽しそうです。

しかし、ドリトル先生は多忙です。そこで、今では成長して先生の信頼も厚いトミー少年が多忙な先生に代わり、動物園作りの計画を任されます。(トミーは新しい動物園の副園長です。)

ドリトル先生が航海に出かける前にあった、以前の動物園とは趣きを異にする動物園ができあがります。その中でも、紳士クラブの色合いが強い「ネズミ・クラブ」と、福祉的な性格の「雑種犬ホーム」が、一際ユニークです。

「ネズミ・クラブ」の会員たちの語る物語が中心

この巻では、「ネズミ・クラブ」に関する記述が多く、本の半分近くを占めています。様々な場所で半生を過ごした、「ネズミ・クラブ」の会員たちのドラマが語られます。

「たかがネズミ」と侮ることは、禁物です。ネズミたちが作り上げた「ネズミ・クラブ」の建物の描写や、まるで人間社会を模したようなネズミたちの暮らしぶりは微に入り細に入り、とても興味深いものです。

そして、「ホテル・ネズミ」や「火山ネズミ」などの語る物語は、それぞれの住んでいた場所ならではの、ユニークなものばかりです。

「火山ネズミ」の話には、かの有名なイタリア・ポンペイのベスビオ火山の噴火を彷彿とさせるものがあり、物語に真実味(?)を添えてくれます。

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後半には推理劇が

また、この巻の後半には、思いがけない推理劇が展開されます。「名探偵」犬のクリングが登場して、活躍します。

このクリングは、あまり芳しくない仕事をさせられていた犬でしたが、その後、「ベルギーで警察」犬になって活躍し、有名だったという設定になっています。

「ベルギー」「警察」「名探偵」「有名」とくれば、ミステリーファンなら、間髪を入れずに、アガサ・クリスティーの生み出した「名探偵ポアロ」を連想します。

クリスティーがデビュー作『スタイルズ荘の怪事件』でポアロを登場させたのが、1920年(大正9年)で、この『ドリトル先生の動物園』の発表が1925年(大正14年)ですから、ロフティングはクリスティーの作品を読んでいたのかも知れません。

ともかく、クリングはなかなかの名探偵振りを発揮しますので、後半の推理劇もなかなか読み応えがあります。

見どころはネズミたちの複数の冒険物語とクリングの名推理

この巻は、オムニバス形式のネズミたちの冒険物語のいくつかと、推理劇で構成されています。『ドリトル先生航海記』のラストから続く物語ですが、この巻だけを読んでも楽しめると思います。

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『ドリトル先生の動物園』関連のオンライン書店のページ

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『ドリトル先生不思議な旅』は、『ドリトル先生アフリカゆき』『ドリトル先生航海記』『ドリトル先生のサーカス』『ドリトル先生月へゆく』などのストーリーを交えたもので、1967年(昭和42年)の映画です。

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『ドリトル先生の動物園』関連のホームページ

「ドリトル先生物語全集」の出版社
      岩波書店児童書編集部

「ドリトル先生物語全集」の番外編 『ガブガブの本』の出版社
      国書刊行会

「ドリトル先生物語全集」関連の書籍 『ドリトル先生の英国』の出版社
      文芸春秋

この物語の舞台であるイギリスの政府公認日本語公式サイト
      UK NOWサイト
   (イギリスに関するさまざまな情報を網羅)


このページの情報は、岩波書店の目録、あとがきの「訳者のことば」、文春新書の『ドリトル先生の英国』(南條竹則 著)などによります。


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