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   『ドリトル先生月から帰る』 ドリトル先生物語全集9

小B6判 『ドリトル先生月から帰る』 この画像はリンクしていません

菊判(21.8×15.2cm)・小B6判(17.2×12cm)
(イギリス)
ヒュー・ロフティング 作・さし絵
井伏 鱒二(ますじ) 訳
岩波書店
菊判 ¥1,680(¥1,600+税5%)
小B6判 岩波少年文庫 ¥756(¥720+税5%)    


「ドリトル先生物語全集」の第九作

「ドリトル先生物語」の9冊目。物語の内容から考えた年代順では11番目です。1933年(昭和8年)発表。


『ドリトル先生月から帰る』のあらすじ(冒頭部分のみ)

ドリトル先生が月に行ってから一年以上が過ぎ、先生の助手のトミー少年は、留守宅の一切の仕事を引き受けて暮らしていました。

トミーは、思いがけない成り行きから、先生を月に残してひとりで先に帰って来たことを、「情けない」と思っていました。

ドリトル先生の家族の動物たちは、そんなトミーを元気づけるため、「上級動物語」を教えてくれました。また、ロンドン生まれのスズメ、チープサイドから大都会のゴシップを聞いたり、ネコ肉屋(ペットフード配布業者)のマシュー・マグに会うことも、トミーの慰めになりました。

そしてトミーは、万一、火事になった場合に備えて、先生の大事なノート類を保管する書庫を庭のはずれに作り、また、日々の生活にどうしても必要な現金を得るために、マシュー・マグが探してくれた、家でできる仕事を引き受けて、他の動物たちと共に、ドリトル先生の帰りを待ち続けました。

そしてある日、今夜が月食だというニュースを携えて、チープサイドがやってきました。

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「月」三部作の三作目に当たる物語

この『ドリトル先生月から帰る』は、『ドリトル先生と月からの使い』『ドリトル先生月へゆく』と合わせて「月」三部作を成しています。「月」での冒険のエンディング、締めくくりに当たる巻です。

「月」三部作の三作目に当たるこの巻では、一年ぶりにやっとドリトル先生が、月から帰ってきます。

荒涼な「月世界」とは対照的なパドルビーの留守宅

「月」三部作の二作目の『ドリトル先生月へゆく』の荒涼とした「月世界」とは対照的な、ドリトル先生の家族の動物たちの住む、パドルビーの家から物語が語られます。

ドリトル先生の長い不在で、トミー少年も動物たちも、敬愛する先生のいない寂しさを強く感じていますが、お互いに助け合って、それなりに楽しく過ごしています。

それぞれに個性的な動物たちの中でも、特にブタのガブガブにはお笑い担当の趣きがあり、家族にいつも笑いを振りまいています。

また、ドリトル先生が帰って来るとわかった瞬間の動物たちの喜びの行動は、それぞれの性格がよく現れていて楽しい描写になっています。

頼もしいトミーの成長ぶりが印象的

「月」三部作の一作目の『ドリトル先生と月からの使い』で、ドリトル先生の家に同居していたジョリギンキのバンポ王子は、トミーの留守中に置手紙をして出て行ったので、家族の中で唯一の人間であるトミーに大きな責任がかかります。

動物たちの世話や、庭の管理、家計の心配、ドリトル先生の実験道具の手入れ、火事に備えての書庫作りなど、たくさんの仕事があります。

しかし、トミーは立派に仕事をこなします。精神的にも、動物たちの支えになっている様子が描かれ、すっかり頼もしく成長したトミー少年の姿が、この巻でも印象的です。

もし、留守宅にトミーがいなければ、動物たちはもっと寂しい思いをしたことでしょう。

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ドリトル先生の帰宅後の姿が、ユーモラスなさし絵と共に描かれる

そして、ドリトル先生が帰宅してからが、フィクションとして楽しめる展開になります。作者ロフティングが設定した「月世界」の一年間がドリトル先生に影響を及ぼし、先生の体にある異変が起きています。

これを元に戻すための努力が、ユーモラスなさし絵入りで描かれています。

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感動的ないきさつで、月から帰る

また、ドリトル先生が地球へ帰ってくるまでの月での経緯は、ある種の感動的ないきさつがあります。ロフティングの創作した神話やユートピアの「月世界」には、不思議な魅力があります。

但し、「月」三部作の一作目の『ドリトル先生と月からの使い』や、二作目の『ドリトル先生月へゆく』の説明ページでも述べたように、この巻の「月世界」の描写について、小学生の読者が現実の「月世界」と混同しないように、保護者の説明はやはり必要と思います。

いったん中断した「ドリトル先生の世界」がまた再建される

この巻では、ドリトル先生の不在によって、中断されてしまった世界がよみがえるので、前作『ドリトル先生月へゆく』まで読み次いできた読者にとっては、安心する世界が広がっています。

感動するシーンのほかにユーモラスなシーンが、適宜、織り込まれています。浮世離れしたドリトル先生の面目躍如、という展開もあり、いつもの「ドリトル先生の世界」が帰ってくる巻です。

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『ドリトル先生月から帰る』関連のオンライン書店のページ

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『ドリトル先生不思議な旅』は、『ドリトル先生アフリカゆき』『ドリトル先生航海記』『ドリトル先生のサーカス』『ドリトル先生月へゆく』などのストーリーを交えたもので、1967年(昭和42年)の映画です。

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『ドリトル先生月から帰る』関連のホームページ

「ドリトル先生物語全集」の出版社
      岩波書店児童書編集部

「ドリトル先生物語全集」の番外編 『ガブガブの本』の出版社
      国書刊行会

「ドリトル先生物語全集」関連の書籍 『ドリトル先生の英国』の出版社
      文芸春秋

この物語の舞台であるイギリスの政府公認日本語公式サイト
      UK NOWサイト
   (イギリスに関するさまざまな情報を網羅)


このページの情報は、岩波書店の目録、あとがきの「訳者のことば」、文春新書の『ドリトル先生の英国』(南條竹則 著)などによります。


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