おとなも楽しめる童話仕立ての料理の本
「おはなしりょうりきょうしつ」シリーズは、小学1・2年から読める、童話仕立ての料理の本です。カラー、または白黒の楽しい絵がほとんどのページに描かれて、まるで絵本のようです。
巻末には、その巻で取り上げた食材についてや、料理の作り方のコツ、料理に関するエピソード・歴史などの後書きがあり、おとなも勉強になります。
一巻目は、1982年(昭和57年)に第一刷発行。以後、順次刊行され、十巻目の第一刷発行は、1990年(平成2年)です。
料理の作り方を組み込んだストーリー
このシリーズは、ストーリーに料理の作り方が組み込まれています。主人公は、駅前で小さな花屋を営んでいる若夫婦の奥さんの「こまったさん」。口ぐせが「こまった」なので、夫の「ヤマさん」が付けたあだ名です。
「こまったさん」は九官鳥の「ムノくん」を飼っています。ストーリー中で料理のコツを述べているところには、「ムノくんマーク」がついています。
どの巻も、こまったさんがいつのまにか料理がらみのパラレルワールドへ紛れ込み、現実へ戻っておいしい料理ができたところか、これから作ろうというところでエンディングとなります。
小学生の女の子に大人気、料理好きの作家の料理の本
物語の導入部からパラレルワールドへの移行が無理なく、年少の読者はストーリーを楽しんで読んでいるうちに、自然と料理に興味を持つことと思います。このシリーズは、小学生の女の子に大人気のようです。
作者は料理研究家ではなく、作家です。料理好きの作家ならではのユニークで楽しい料理の本です。後書きから、料理に対する哲学(?)を感じます。
かわいらしいイラスト、大きな文字とルビで子どもに配慮
イラストは、かわいらしい雰囲気の絵で親しみやすく、文章は、文字のサイズが大きめで、ひらがな、カタカナ、漢字少々で構成されていて、ほとんどの漢字にルビが振られています。
作者は寺村輝夫さん
作者の寺村輝夫さんは、1928年(昭和3年)、東京生まれ。早稲田大学卒。文京女子大学(現・文京学院大学)名誉教授。
『ぼくは王さま』(理論社)、『おしゃべりなたまごやき』(理論社)などの絵本の他に、ノンフィクション『サファリと魔法の国』、伝記『アフリカのシュバイツァー』など、著書多数。
なお、寺村輝夫さんは、2006年(平成18年)5月に死去されました。
「絵」は岡本颯子さん
「絵」の岡本颯子(さつこ)さんは、武蔵野美術大学卒。絵本やさし絵の他に、舞台装置・衣装デザインなどの仕事をされています。
絵本では、『おばけたんぽぽ』『るすばんだいすき』、さし絵は「かぎばあさんシリーズ」(岩崎書店)、『きょうりゅうほねほねくんシリーズ』(あかね書房)などの作品があります。
あかね書房から出版
あかね書房から出版されています。A5判で、価格はどの巻も¥882(本体価格¥840+税5%)です。背表紙に番号は記載されていませんが、表紙の上部に「おはなしりょうりきょうしつ・1」というように記載されています。
下記のリンクは、このサイト内のそれぞれの巻の説明ページに飛びます。各巻のオンライン書店へのリンクは、その説明ページの下部にあります。
| 書名 | 初版発行年 |
| 1. こまったさんのスパゲティ | 1982年 7月 |
| 2. こまったさんのカレーライス | 1982年 10月 |
| 3. こまったさんのハンバーグ | 1983年 6月 |
| 4. こまったさんのオムレツ | 1983年 11月 |
| 5. こまったさんのサラダ | 1984年 9月 |
| 6. こまったさんのグラタン | 1985年 10月 |
| 7. こまったさんのサンドイッチ | 1987年 2月 |
| 8. こまったさんのコロッケ | 1987年 12月 |
| 9. こまったさんのラーメン | 1988年 12月 |
| 10. こまったさんのシチュー | 1990年 2月 |
このページの情報は、あかね書房の目録などによります。
