A5判
(日本)
望月 正子 著
汐文(ちょうぶん)社
¥1,365(本体価格¥1,300+税5%)
イラク人少年モハマドくんの来日一回目の治療についての本
新聞やTVニュースなどで大きく報道された、戦争で目にケガをしたイラク人少年のモハマドくんの日本での一回目の治療の経緯などをまとめた本です。2004年(平成16年)に、第一刷発行。
大きめの活字と平易な文章で小3,4年から読める
出版社の年令指定は、「小学校中学年向け」です。活字のサイズが大きめで、平易な文章でモハマドくんの事情をコンパクトにまとめてあります。
ひらがなも多いのですが、少し難しいと思われる漢字にはルビが振ってあります。小学校3,4年の子どもでも、マスコミの断片的な情報の裏にある事情の一連の流れを知ることが出来ます。
おとななら短時間で経緯を把握できる
おとなならば短時間で読めるので、すばやく経緯を把握できるというメリットがあります。子ども向けの文章ですが、十分、おとなの心を打つものがあります。
理解の手助けになる多数のモノクロの写真掲載
本は10章から成り、はじめての来日から語られます。冒頭にはイラクの地図が掲載されています。
文中にはモノクロの写真が多数掲載されていて、写真を眺めるだけでも、ある程度の経緯がわかります。今は亡き小川功太郎さんと、橋田信介さんの写真も載っています。
日本滞在中のモハマドくんのほか、イラクについても触れる
文章はそのほとんどが日本滞在中のモハマドくんについての記述ですが、イラク戦争についてやイラクでの人名の付け方などについても触れています。橋田信介さんについては、『爆弾を落とされる側』から戦争を取材したジャーナリストと述べられています。
モハマドくんの負傷の原因であるイラク戦争についても、人によってさまざまな考えがあると思いますが、戦争があっても人の強い意思や、人と人との交流で世界がつながって行く、というような気持ちになる本です。
これは、感傷に流されず淡々として、それでいて人の思いを伝えてくれる文章に負うところが大きいと思われます。
2004年の一回目の治療についてのみ述べる
なお、この本は2004年(平成16年)6月から7月までの一回目の治療についてのみ、述べられています。その後、モハマドくんは同年11月と、2005年(平成17年)7月に再来日して治療を受けています。
一回目の治療後モハマドくんの帰った街は、アメリカ軍による大規模な掃討作戦が行われたファルージャなので、モハマドくん一家は、身の安全について相当厳しい状況に置かれていたようです。
親類の家に疎開したため命は助かりましたが、ファルージャで住んでいたアパートは破壊されたそうです。
著者について
著者の望月正子さんは、静岡県生まれ。児童文学作家。日本児童文学者協会、日本民話の会、静岡子どもの本を読む会会員で、かしの木同人。
著書に『がんばれぼくのクレーンしゃ』(ポプラ社・現在在庫切れ)、『ウミガメ通信 海太の夏』(汐文社)など。この『世界をみつめる目になって』を著すに当たっては、モハマドくんの学校訪問に同行、「ショクランの集い」にも参加したそうです。
汐文社から出版
この本は、汐文(ちょうぶん)社から出版されています。この『世界をみつめる目になって』は、「生きるってすばらしい 全7巻」のシリーズの中の1冊です。1冊¥1,365(本体価格¥1,300プラス税5%)ですが、7冊セットで¥9,555(本体価格¥9,100+税5%)です。
他の6冊のタイトルは、『義足のキリンたいよう いのちの物語』、『さとうきび畑の唄』、『行こうぜ!サーカス』、『帰ってきて!愛犬ナナちゃん 主人をクマから守ったイヌ』、『きっと泳げるよ、カバのモモちゃん』、『さわってごらん、ぼくの顔』です。
『世界をみつめる目になって』関連のホームページ
『世界をみつめる目になって』の出版社
汐文(ちょうぶん)社
「モハマドくん通信」モハマドくんの3回に渡る来日についてなど
学研キッズネット(学習研究社)
トップページの左側、「プレゼント」の下の「連載」から「モハマドくん通信」に入れます。小学生にわかりやすい内容で、写真を多数掲載。
このページの情報は、汐文社のホームページや、本のあとがきなどによります。