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   『アフガニスタンの少女、日本に生きる』

『アフガニスタンの少女、日本に生きる』 この画像はリンクしていません

四六判(13×18.8cm)
(日本)
虎山 ニルファ 著
草思社
¥1,680(本体価格¥1,600+税5%)


アフガニスタンで15才まで暮らした著者の半生記

2005年(平成17年)4月に、第一刷が発行された本です。アフガニスタンで15才になるまで暮らし、その後、日本へ移住した著者の半生記です。一般書なので、出版社の年令指定はありませんが、中学生から読めると思います。

冒頭の数ページの写真で著者の半生を垣間見る

本の冒頭の数ページに渡って、著者やご家族などの写真が掲載されています。アフガニスタンで撮影された幼い頃のもの、日本へ来てからの学生時代のもの、テレビの取材で通訳としてアフガニスタンを訪れたときのものなど、さまざまです。

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テレビ番組の取材で12年ぶりの祖国を訪れる

本文は、4章から成っています。第一章では、テレビ番組の取材で通訳を依頼され、女優の藤原紀香さんやスタッフたちと訪れた、12年ぶりの祖国について述べられています。

祖国の歴史と、著者の生い立ちについて

第二章は、始めにアフガニスタンという国について、1953年(昭和28年)頃からの現代史を含めて国の輪郭が紹介され、その後、著者の生い立ちと15才で日本に入国するまでが述べられます。それに付随して戦時下でのアフガニスタンの人々の暮らしが描かれます。

アフガニスタンの現代史については、略年表が掲載されていて、約50年間に渡る歴史の説明があります。日本では、あまり知られていないアフガニスタンの長年の戦争について、概略がわかるようになっています。

日本での奮闘振りや通訳の仕事、二つの国の文化について

第三章は、異文化の国日本での著者の奮闘振りが、第四章では、主に通訳としての仕事やアフガニスタンと日本の文化、ものの見方などについて語られます。

ペルシャ語の雑誌に掲載された著者の記事も

本文の前ページにはアフガニスタンの地図が、また巻末には『JAVANAN』という、アメリカで発行されているペルシャ語の雑誌に掲載された著者の記事が載せられています。

この『JAVANAN』という雑誌は、ペルシャ語の雑誌としては、最大の部数(全世界で約500万の部数)を誇るオピニオン誌ということです。

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「戦時下」そして、教育を受けられない暮らし

戦時下で生まれ育ったと聞けば、さぞ厳しい暮らしだったろうと誰もが想像されることでしょう。

しかし著者は「戦時下」のほかに、家庭の事情で親類の家で育ち、文字や数字さえも教えてもらえず、すべて手作業の家事と雑事に明け暮れる、という別な「厳しさ」をも幼児の頃から体験しなければなりませんでした。

日本に移住してから猛勉強の末、通訳に

また、苦難の末に著者の父親の暮らす日本に移住してからは、全く学校教育を受けていない状態から、一転、猛勉強をする生活になります。

母国語での教育を受けられなかった著者の、文化や言葉の異なる日本での苦労と努力を想像すると、頭の下がる思いがします。現在は、通訳として活躍されています。

著者は日本に帰化

なお、著者の苗字の「虎山」は、父親が日本に帰化したことによる改名で、日本人の血が入っているということではありません。(著者も帰化しています。)このページの冒頭の国名は、著者が帰化していることと、日本に移住して十数年ということから、「日本」としました。

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どちらにも偏らず、二つの文化について本音で語る貴重な本

この本は全体を通して、日本人には馴染みの薄いアフガニスタンという国の状況や、文化を知る手がかりになりますが、日本との対比によってさまざまなことを考えさせてくれます。

なによりも、アフガニスタンで生まれ育ち、日本の文化にも親しんだ著者が、訳者を通さずに日本語で書いた本なので、どちらかの文化に偏らない本音の記述が貴重な本です。両方の社会を比較しての、著者の鋭い考察もあります。

メディアの恣意(しい)的操作の危険性にも言及

また、通訳という仕事を通して感じた、メディアの恣意(しい)的操作の危険性や、アフガニスタンに対する無知に起因する誤解などについても言及されています。

中学生、高校生、そして異文化に興味のあるおとなにぜひ、読んで欲しい本です。特に、中学生や高校生には、得るものが大きいと思われます。

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著者について

著者は、1974年(昭和49年)アフガニスタンのカブール生まれ。1990年(平成2年)アフガニスタンを出国、サウジアラビアを経て、日本へ。

その後、日本語学校、夜間中学、高校と進み、大学入学・卒業。日本に帰化。現在は、国際機関や政府機関の通訳として活躍中。

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『アフガニスタンの少女、日本に生きる』のオンライン書店のページ

A5判

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        草思社


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