四六判
(日本)
岩野 礼子 著
晶文社
¥1,890(本体価格¥1,800+税5%)
著者の半生についてと、文学作品や作者について語る本
2000年(平成12年)7月に、第一刷発行。この本は、現在イギリスに在住している著者が、自身の半生を振り返る記述を交えながら、主にイギリスを舞台にしている文学作品と、その舞台となった地や作者について語るものです。
ですから、単なる「本のガイドブック」ではなく、紹介している物語の作者たちの生き方や、その物語を著者が読んだ年令に絡めて自身の半生について述べ、またそれについての現在の考えなどを述べている文章の比率が多い本です。
子どもの心理からファンタジー論まで、様々な分野に言及
その内容は、子どもの心理や恋愛論、女性の自立、ファンタジー論など多岐に渡り、そのいずれに対しても明快な主張は、読んでいて小気味良いものです。著者の考えとは違う意見を持つ人にも、その主張には一考に価するところがあると思われます。
自分の好きな物語について、もっと詳しい情報を知りたくてこの本を読み始めたところ、物語の作者の人生や、背景となっている場所の知識だけではなく、著者の人生やものの考え方についても知ることができた、というのが、多くの人の感想になるでしょう。
館長自身は、ずいぶんと著者の考えに共鳴するところがありました。また、多くの人に愛される、優れた文学作品を多数生み出している「イギリス」という国についても、思いを馳せました。
結末を述べた物語あり、未読の方は要注意
この本は一般向けですが、著者の文章は、その主張のように明快かつ、なめらかで読みやすく、中学生も読めると思います。
また、結末を含むあらすじを述べて紹介している物語がありますので、未読の物語がある場合はその点、注意して下さい。(あらすじが述べられている物語のタイトルはこのページの下部に記載しています。)
本文は三章から成り、各章が5編または4編のエッセイで構成されています。巻末には、この本で著者が言及された物語のタイトルと、出版社名が記載されています。
この巻末に記載されている物語には、本文中で、あらすじにはほとんど触れていないものや、数行でさっと述べられただけのもの、2ページ前後に渡って詳しく述べられているものがあります。
結末を含むあらすじが述べられている物語のタイトル
このうちの、あらすじが詳しく述べられている物語のタイトルは、下記の通りです。(結末も含むものがほとんどです。)
| 書名 | 作者名 |
| バレエシューズ | ノエル・ストレトフィールド |
| 百と一匹のダルマシアン犬 (映画「101匹わんちゃん」の原作) |
ドーディー・スミス |
| まぼろしの小さい犬 | フィリパ・ピアス |
| 「ナルニア国ものがたり」シリーズ さいごの戦い |
C・S・ルイス |
| トムは真夜中の庭で | フィリパ・ピアス |
| 時の旅人 | アリソン・アトリー |
| 秘密の花園 | バーネット |
| 床下の小人たち | メアリー・ノートン |
| ハリー・ポッターと賢者の石 | J・K・ローリング |
| 風にのってきたメアリー・ポピンズ | パメラ・L・トラヴァース |
| 魔女がいっぱい | ロアルド・ダール |
| ホビットの冒険 | J・R・R・トールキン |
| 指輪物語 | J・R・R・トールキン |
ポターとディケンズについて詳しい記述
また、「ピーター・ラビットのおはなし」シリーズの作者であるビアトリクス・ポターや、イギリスの国民的作家であるチャールズ・ディケンズの人生について、詳しく述べられています。
著者の岩野礼子さんについて
著者は、福岡県生まれ。会社員、主婦業を経て、1989年(平成元年)からイギリスのロンドン在住。エッセイスト、イラストレーターで、著書に『ピーターラビットの村から』『ロンドンひとり暮らし術』、『イギリスのおいしい食事』など多数。
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