A5変型判(19.5×15.5cm)
文庫判(17.5×13.5cm)
(日本)
江戸川 乱歩 著
藤田 新策 装丁
佐藤 道明 さし絵
ポプラ社
A5変型判 ¥1,029(本体価格¥980+税5%)
文庫判 ¥630(本体価格¥600+税5%)
「少年探偵」シリーズの5冊目
「少年探偵・江戸川乱歩」シリーズ5冊目。1949年(昭和24年)、雑誌「少年」(光文社刊)に連載。
『青銅の魔人』のあらすじ(冒頭部分のみ)
冬の夜、銀座通り近くの交番の警官が、異様な歩き方の男を目撃します。それは、白宝堂という時計店から、たくさんの懐中時計を盗んだと思われる男でした。
店員二人と警官は追跡しますが、月の光を浴びた顔を見て、仰天します。
その顔は、青黒い金属のお面のようでした。
三角型の大きな鼻、三日月型に笑っている口、真っ黒な穴のような目などを見て、気味の悪さに立ちすくんだ三人ですが、気を取り直してまた追跡を始めます。
しかし、四つんばいになって逃げた男は、途中で消えてしまいます。
「青銅の魔人」の不気味な描写は、乱歩の独壇場
第二次大戦中は、文筆活動を休んでいた乱歩の、少年もの再開の作品です。
冒頭から、乱歩の独自の世界を作り出す筆力を感じる巻です。ブランクがあったとは思えません。「青銅の魔人」の描写の不気味さなど、乱歩の独壇場です。
しかし、読むのをやめたくなる不気味さではなく、「次はどうなるのか?」と興味を惹かれる描写であり、この巻もどんどん読み進みたくなります。
機動力の勝る「チンピラ別働隊」が結成される
この巻では、「チンピラ別働隊」が結成されます。
「『少年探偵・江戸川乱歩』シリーズと作者について」のページでも述べましたが、これは、コナン・ドイルが「ホームズ」シリーズで使った「ベーカー街特別捜査隊」(“Baker Street Irregulars”)によく似ています。
作品中で、小林君が「ホームズ」に言及しています。「ベーカー街特別捜査隊」を乱歩は「パン屋町のごろつき隊」と訳しています。
確かに“Baker”には「パン屋」という意味がありますが、「ベーカー街特別捜査隊」と「パン屋町のごろつき隊」では、かなり印象が違います。
でも、子どもには「パン屋町」の方が親しみ易いかも知れません。
「少年探偵団」の団員たちは、夜の活動に制約があるため、やはりこの時代の社会状況の落とし子である浮浪少年たちを組織した「チンピラ別働隊」の方が、自由に動き回れます。
(小学生の読者には、この浮浪少年たちを生み出した時代背景について、保護者が説明しないと理解できないと思います。)
ともかく機動力はこっちの方が上です。小林君は「少年探偵団」だけでなく、「チンピラ別働隊」のリーダーとしても、ビシッと決まっています。
この巻では、ちょっと不気味な雰囲気付きの、明智探偵と犯人の知恵比べを楽しめます。
『青銅の魔人』のオンライン書店のページ
A5変型判 (ハードカバー)
青銅の魔人(アマゾン)
少年探偵5 青銅の魔人
(セブンアンドワイ)
文庫判 (普通の文庫判より新書判に近いサイズ)
青銅の魔人(アマゾン)
少年探偵5 青銅の魔人
(セブンアンドワイ)
旧版 (ハードカバー)
少年探偵江戸川乱歩全集 4 (4)(アマゾン)
左の画像は、ポプラ社の旧版(ハードカバー)の江戸川乱歩著、柳瀬茂カバー絵・さし絵の『青銅の魔人』の表紙です。『青銅の魔人』は、旧版では4冊目でした。旧版のサイズは18.5cm×13.5cmで、B6判ぐらいの大きさです。
このページの情報は、ポプラ社の目録や名張市図書館のホームページ、雑誌「サライ」の特集「江戸川乱歩と少年探偵団」などによります。