A5変型判(19.5×15.5cm)
文庫判(17.5×13.5cm)
(日本)
江戸川 乱歩 著
藤田 新策 装丁
佐竹 美保 さし絵
ポプラ社
A5変型判 ¥1,029(本体価格¥980+税5%)
文庫判 ¥630(本体価格¥600+税5%)
「少年探偵」シリーズの8冊目
「少年探偵・江戸川乱歩」シリーズ8冊目。1952年(昭和27年)、雑誌「少年」(光文社刊)に連載。
『怪奇四十面相』のあらすじ(冒頭部分のみ)
怪人二十面相は、東京都内のI(アイ)拘置所に、厳重な見張りのもとに収容されていました。
この怪人二十面相を捕らえた明智探偵の名声は高まり、「日本のシャーロック・ホームズ」として、西洋の新聞にも記事が載りました。そして「透明怪人」の映画が作られ、芝居も上演されることになりました。
しかし、拘置所の中にいる二十面相から新聞社に『「四十面相」と改名し、大事業に乗り出す』という投書が届き、記事となって掲載されました。
この記事を読んだ世間の人々も、二十面相を収容しているI拘置所の所長も仰天しましたが、どのような手段で二十面相が投書したかは調べてもわからず、ますます見張りを厳重にするだけでした。
しかしその見張りの甲斐もなく、その二日後にはまた、『四十面相の新事業「黄金どくろ」の秘密』という投書が届き、新聞に掲載されました。
この巻では、「怪奇」ムードが
前巻までの「透明」などという不可思議なムードに代わって、この巻では「黄金どくろの謎」という言葉から連想されるように、子ども向けではありますが、少々怪奇ムードの味付けがしてあります。
物語の進行上どうしても必要というよりは、怪奇ムードを盛り上げるために、「黄金どくろ」の他にもいろいろなものが登場して、その雰囲気が味わえます。
しかし、怪奇小説ではないので、提出される謎にはあくまで合理的な説明が付きます。
「四十面相」と改名、変装術が見どころ
この巻で、怪人二十面相は「四十面相」と改名します。その改名に恥じないようにするためか、この物語では変装に次ぐ変装にトリックもプラスして読者を飽きさせません。
中には人間ではない、「意表をつくあるもの」に変装したりもします。
館長は子どもの頃にこの巻を読み、以後街角でこの「意表をつくあるもの」を見かけると、「もしかして二十面相(四十面相)が化けているのかも・・・」と思ったものです。
小林少年が大活躍
そして、怪人に対抗する側も負けてはいません。この巻では明智探偵は控えめで、その助手であり少年探偵団の団長である小林少年が、冒頭からラストまで大活躍をします。
いつもの尾行などはもちろんそつなくこなし、その上、大群衆がひとりも疑わないことにも小林君だけが鋭い目を向けて、トリックの正体を見破ったりしています。
この小林君の活躍は、四十面相本人に「こわくなってきた」と言わせるほどです。
そして、「四十面相」とはいかないまでも、小林君も風変わりな変装をしたり、危急の際に備えていろいろ用意していたり。
この巻ではBDバッジの登場はありませんが、小林君の工夫と度胸と活躍ぶりは見ものです。それと、「チンピラ別働隊」も目立たない形ながら登場しています。
4冊目の『大金塊』を思わせる暗号
このシリーズの4冊目の『大金塊』では、とても印象的な暗号文が使われていました。この『怪奇四十面相』でもそれを思わせる暗号文が登場し、この解読はミステリーファンには楽しいところです。
以後の展開も『大金塊』を思わせるところがあり、「怪奇ムード」と「暗号」と「冒険」が1冊で楽しめる巻ですが、このような要素を組み合わせて、子どもに「健全な怖さ」を語る乱歩のストーリーテラーとしての才能には、何度読み返しても脱帽です。
乱歩の独特の文体のかもし出す雰囲気をぜひ子どもに、そして大人にも楽しんでいただきたいと思います。
館長には一番気に入っている『大金塊』と甲乙付けがたいくらい、おもしろい巻です。
『怪奇四十面相』のオンライン書店のページ
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少年探偵8 怪奇四十面相
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旧版 (ハードカバー)
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左の画像は、ポプラ社の旧版の江戸川乱歩著、吉崎正巳装丁、柳瀬茂カバー絵・さし絵の『怪奇四十面相』の表紙です。『怪奇四十面相』は、旧版では7冊目でした。旧版のサイズは18.5cm×13.5cmで、B6判ぐらいの大きさです。
このページの情報は、ポプラ社の目録や名張市図書館のホームページ、雑誌「サライ」の特集「江戸川乱歩と少年探偵団」などによります。