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外国のミステリー2 
小学上級から
「シャーロック・ホームズ全集」より
『シャーロック・ホームズの思い出(上)』
20×14cm
(イギリス)
コナン・ドイル 著
沢田 洋太郎・大村 美根子 訳
シドニー・パジェット さし絵
偕成社
¥1,260(本体価格¥1,200+税5%)
偕成社版「シャーロック・ホームズ全集」の7冊目(短編集)
1892年(明治25年)から1893年(明治26年)にかけて、ストランド・マガジンの12月号から翌年の12月号に掲載された作品のうち、この上巻には前半の6編を収録。
「ホームズもの」の二番目の短編集。一話読み切り形式。ドイル33才。
『シャーロック・ホームズの思い出(上)』の収録作品は『白銀号事件』『黄色い顔』『株式仲買店員』『グロリア・スコット号』『マスグレーブ家の儀式』『ライゲートの大地主』
この上巻の収録作品は、12月号掲載の『白銀号事件』(沢田洋太郎訳)、翌年2月号掲載の『黄色い顔』(沢田洋太郎訳)、3月号掲載の『株式仲買店員』(大村美根子訳)。
そして4月号掲載の『グロリア・スコット号』(沢田洋太郎訳)、5月号掲載の『マスグレーブ家の儀式』(大村美根子訳)6月号掲載の『ライゲートの大地主』(大村美根子訳)の6編です。
『白銀号事件』に、以後推理小説を象徴するホームズの名言が
『白銀号事件』は、原題(“Silver Blaze”)通り『シルヴァー・ブレイズ号事件』や、『名馬シルヴァー・ブレイズ』としている社もあります。
NHKで放送されたドラマ版では『銀星号事件』となっていました。
“blaze”は「炎」や「強烈な光」などという意味なので、原題通りよりも、「白銀」や「銀星」のほうが雰囲気があるのではないでしょうか。
白銀号は、競走馬。調教師が殺害され、白銀号は失踪。ホームズはワトスンと一緒に、ダートムーアまで赴きます。
「ホームズもの」ばかりか、推理小説の特徴として言われることがある「犬がほえなかったのはなぜか?」という疑問から、ホームズの推理が展開します。
『黄色い顔』は珍しいホームズの失敗談
『黄色い顔』は、珍しくホームズが失敗した、という事件です。但し、事件の真相はホームズの介入で、明らかになります。
『株式仲買店員』は依頼人の奇抜な話から始まる
『株式仲買店員』は、依頼人が奇抜な話を持ってくるところから始まります。『赤髪連盟』と似ている始まりかたです。
江戸川乱歩は、この作品を「ホームズ物語ベスト12」の中に入れていると、作品解説にありますが、これは人によって評価の分かれるところでしょう。
『グロリア・スコット号』はホームズの学生時代の事件
『グロリア・スコット号』は、ホームズの学生時代の話という設定です。暗号が出てきますが、作品解説によるとこの物語の中の暗号は、「分置式」と呼ばれるものだそうです。
『マスグレーブ家の儀式』も学生時代の事件、古文書が発端
『マスグレーブ家の儀式』も、ホームズの学生時代の友人が依頼主です。地方の旧家であるマスグレーブ家に代々伝わる儀式書が事件の原因になります。
単なる暗号文ではなく、王位継承の歴史が浮かび上がってくる古文書であるということで、独特の雰囲気が漂っています。
『ライゲートの地主』は手紙が手がかり
『ライゲートの地主』は、ホームズとワトスンが休暇を過ごしに出かけた先での事件です。
手がかりは、破かれてしまった手紙の一部。筆跡についての推理からホームズがスピーディに謎を解きます。
あとがきは「ホームズもの」の贋作やパロディについて
偕成社版のあとがきは、「贋作ホームズ物語(T)」です。「ホームズもの」ほど贋作やパロディの多い物語は、まずないでしょう。
宇宙で活躍する異星人のホームズや、児童向きの「ネズミの国のホームズ」物語まで登場するということが述べられています。
この『思い出』は、破格の原稿料で執筆
『シャーロック・ホームズの冒険』に収められた『ブナ屋敷』を書き上げた後、ドイルは歴史小説(『亡命者』と『巨大な影』)に取りかかりました。
しかし、「ホームズもの」に対する人気の高さから、また、ストランド・マガジンに「ホームズもの」を書くことになります。12編で1,000ポンドという破格の原稿料だったそうです。
『シャーロック・ホームズの冒険』のときには、ドイルは1編につき50ポンド要求して(それまでのストランド・マガジンの平均稿料25ポンド)、即座に飲まれたのですが、今度はその倍近い金額です。
しかし、これはドイルが守銭奴だったからではなく、彼としては歴史小説に専念したかったからで、ストランド・マガジンに依頼を取り下げさせるためでしたから、ドイルファンとしては、誤解して欲しくないところです。
『ボール箱』は発表後省かれ、後に『最後の挨拶』に収録
当初このシリーズの第2話として発表された『ボール箱』は、「道徳に反する内容」ということで省かれました。
偕成社版の作品解説では、『シャーロック・ホームズの思い出』にいったん収録されましたが、ドイル自身がその後削除したと述べられています。
新潮社の新潮文庫の『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』の延原謙さんの解説では、単行本にまとめるときに割愛されたとなっています。
しかし、いずれにしろ、その後の1917年(大正6年)の『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』に収録されました。(この偕成社版では、『シャーロック・ホームズ最後の挨拶(上)』に収録。)
『シャーロック・ホームズの思い出(上)』のオンライン書店のページ
偕成社 20×14cm (A5判より縦が1cm、横が8mm小さいサイズ)
シャーロック=ホームズの思い出 上 シャーロック=ホームズ全集 (7)
(アマゾン)
シャーロック・ホームズ全集7 シャーロック・ホームズの思い出 上
(セブンアンドワイ)
『シャーロック・ホームズの思い出(上)』の偕成社以外の本やDVDのページはこちらです。
『シャーロック・ホームズの思い出(上)』関連のホームページ
「シャーロック・ホームズ全集」の出版社
偕成社
「シャーロック・ホームズの冒険」のDVD(ジェレミー・ブレッド主演グラナダ放送のドラマ)の発売・販売元
ハピネット・ピクチャーズ
「シャーロック・ホームズの冒険」のDVD(ジェレミー・ブレッド主演のグラナダ放送のドラマ)についての個人サイト(ネタバレあり、未読の方は注意を)
シャーロック・ホームズの冒険研究所
(当サイトよりあらすじを詳述、ドラマの写真を多数掲載)
221b Baker Street
(原作と比較し、ドラマについて文章にて解説、あらすじは特に詳述)
「シャーロック・ホームズ博物館」の日本語サイト
シャーロック・ホームズ博物館
「シャーロック・ホームズ」シリーズの舞台であるイギリスの政府公認日本語公式サイト
UK NOWサイト
(イギリスに関するさまざまな情報を網羅)
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