B5判
(日本)
いわむらかずお 作
童心社
¥1,260(本体価格¥1,200+税5%)
「14ひきのシリーズ」の12冊目。読み聞かせに向いている本です。
『14ひきのもちつき』のあらすじ(半分ぐらいまで)
おとうさんがまき割りをして、おじいさんはかまどに火を入れました。
もちつきの日です。おばあさんは、ふやかしておいたお米の水を切り、さっちゃんはお米をせいろに入れます。
おとうさんは、うすの用意。おじいさんは、うすの下に敷くわらの用意。ごうくんたちは、協力してきねを運びます。
お米を蒸すための火が勢いよく燃えて、小さな子たちは、喜んでうすの回りで踊り始めました。
いよいよ、もちつきの始まりです。
昔懐かしい「もちつき」
今回は、一般家庭ではあまり行われなくなった、うすと杵を使った「もちつき」をねずみたちが楽しみます。
「おもちの作り方」のレシピを見ているような趣きがあり、楽しく本を読んでいるうちに、小さな子にも、おもちの作り方がわかる絵本です。
館長が子どもの頃は、多くの家でこのように、うすと杵を使ってもちつきをしていたものです。この本を読んで記憶がよみがえり、とても懐かしく思いました。
『14ひきのおつきみ』で描かれている「お月見」同様、この「もちつき」も、残したい日本の伝統だと思います。
5年ぶりの新作の絵の輪郭は元のペン画
2002年(平成14年)の11冊目の『14ひきのとんぼいけ』から、実に5年ぶりの新作で、2007年(平成19年)11月に出版されました。
『14ひきのとんぼいけ』は、絵の輪郭が鉛筆で描かれて、ワイルドな雰囲気でしたが、この『14ひきのもちつき』では、元のペン画に戻りました。
おだやかな色彩と描き込まれた14ひきの家族
このシリーズの他の巻では、鮮やかな色の対比が印象的だったり、細密画のような植物の描写が特徴的だったりしますが、この巻の特徴は、灰色を基調とした微妙な色の変化と、もちつきをしている家族の描写が大部分だということです。
灰色を基調としてはいても、黄色がかった絵や、ピンクがかった絵など、薄いパステルトーンの変化で場面転換してゆきます。
読み始めのうちは、「灰色」から地味な印象を受けますが、ページをめくっているうちに、おだやかな色彩に心が安らいで行きます。
そして、見開き1ページにこの大家族が描き込まれている絵が何枚も続き、共同作業の楽しさ、賑やかさが伝わって来る巻です。