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外国の物語絵本
年令指定なし
中学生から
「くまの アーネストおじさん」のシリーズより デッサン絵本
『セレスティーヌ アーネストとの出会い』
19×26cm
(ベルギー)
ガブリエル・バンサン 作
もり ひさし 訳
BL出版
¥2,520(本体価格¥2,400+税5%)
「くまの アーネストおじさん」シリーズの番外編。この本は読み聞かせには向きません。
『セレスティーヌ アーネストとの出会い』のおおまかなあらすじ
一人で暮らしていたくまのアーネストが、ある日、子ねずみ(乳児)のセレスティーヌと出会います。
アーネストは恵まれない境遇にいたセレスティーヌを見て、一緒に暮らすことにします。
それまでとは全く違う生活の中で、セレスティーヌとの係わりを通して、アーネストはさまざまな感情を経験します。
(この本のあらすじを詳しく書くと、『セレスティーヌのおいたち』をこれから読む方はつまらなくなってしまうので、かんたんに大筋だけにします。)
シリーズ番外編、茶色一色で描くデッサン絵本
この本は、「くまの アーネストおじさん」シリーズの番外編と位置づけられるものです。
作者ガブリエル・バンサンのデッサンの力量を強く感じられる本でもあります。
表紙のセレスティーヌは、乳児です。
擬人化したねずみでありながら、乳児のやわらかさ、幼さが巧みに表現されています。茶色一色のペン画で(少し、絵筆も用いられてはいますが)よくこのように表現できるものです。
見開きのページにも、赤ちゃんのセレスティーヌがたくさん描かれています。
セレスティーヌとアーネストの出会いを詳しく回想
この本は、「くまの アーネストおじさん」シリーズの最終巻である『セレスティーヌの おいたち』を補完する意味の本でもあります。
セレスティーヌとアーネストの出会いを、アーネストが回想する形で、シリーズ本編よりも、なお少ない文字数で語られます。
全く文字のないページもたくさんあります。背景の描きこみも必要最小限で、まさにセピア色の懐かしい回想の記といった趣きです。
アーネストのさまざまな感情を温かく描く
セレスティーヌと出会ったことにより、さまざまな感情を体験して行くアーネスト。そのアーネストの表情を、ガブリエル・バンサンは的確に表現しています。
驚き、哀れみ、戸惑い、慈しみ、喜び、怒り、心配、寂しさ、安堵。そして周りの人たち(くまたち)の善意。
血のつながりのないセレスティーヌに寄せるアーネストの思いは、純粋な愛そのものです。
マイナスの環境から出発しなければならない者に注ぐ、作者のまなざしは温かです。
この本の絵は「デッサンで表現した愛情」
この本の中の数々の絵は、デッサンで表現した愛情です。
絵で、このように人の心を表現することができる、人の心を揺さぶることかできるというお手本のような本です。
幼児には不向き、中学生以上の方に
素晴らしい本ですが、シリーズ本編とは異なり、幼児には向かないと思います。(使われている漢字は、小学校低学年で習うものばかりですが、小学生にも、たぶんこの巻はおもしろくないでしょう。)
おとなか、絵画やデッサンなどに興味のある中学生以上なら、作者の意図を理解できることと思います。