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外国の物語絵本
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「くまの アーネストおじさん」シリーズと作者について
くまのおじさんと子ねずみの心温まるストーリー
この「くまの アーネストおじさん」シリーズはくまのアーネストと、子ねずみのセレスティーヌの共同生活による心のふれあいを描いたものです。
淡い水彩画で描かれている絵本で、世界十数カ国で出版されているそうです。
文のほとんどがひらがなで、幼児から読めますが、絵の技術の高さと心温まるストーリーにおとなでも引き込まれ、楽しめる絵本です。
『ピーターラビットのおはなし』で有名なビアトリクス・ポターの影響があったそうです。
ねずみ嫌いの人にも「かわいい」と思わせる優れた作画
作者の技術が優れているので、擬人化されたくまとねずみの表情が素晴らしく、心の動きが伝わってきます。
その技術の素晴らしさは、ねずみ嫌いの人でも「セレスティーヌはかわいい」と思わせてしまうほどです。たとえ、「ねずみは苦手」という人でも、まず、手に取って見ることをお勧めします。
館長はねずみが苦手だったため、この本の存在を知りながら、しばらく敬遠していました。でも、読んでみたらすぐにガブリエル・バンサンの世界に引き込まれ、もっと早く読めば良かったと後悔しました。
ストーリー作りにも優れた作者の才能
また、作画だけでなく、ストーリーの組み立ても優れているので、世界の各国で高い評価を受けているようです。
訳者のもり ひさしさんが『セレスティーヌのクリスマス』のあとがきでこの点について述べていますが、一人の作家が、絵とストーリー作りの両方でこのように素晴らしい作品を生み出すことは、珍しいと思います。
作者はベルギーの絵本作家で、水墨画の影響を受けた親日家
「くまの アーネストおじさん」シリーズは、ベルギーの絵本作家ガブリエル・バンサン(1928−2000)の作品です。
この作家はベルギーのブリュッセル生まれで、ブリュッセルの美術学校で学び、素晴らしいデッサン力で描いた多くの作品を出版しています。
日本の水墨画から影響を受けて、親日家でもあり、日本の絵本の印刷技術の高さを評価していたということです。
「くま」と「ねずみ」だけという登場動物(?)の設定
さて、このシリーズの主要登場動物である「くま」と「ねずみ」に関してですが、興味深いことに、ほとんどの巻で「くま」はおとなだけ、「ねずみ」は子どもだけしか描かれていません。
「こぐま」は、初期のごく一部の巻で少数描かれているだけで、ほとんど存在しません。それどころか、多くの巻で、家族と思われる一行が、「親はくま、子どもはねずみ」として描かれています。
いくら絵本の世界でも、「ねずみ」が成長すると「くま」になる、という設定は考えにくいと思います。
でも、作者のガブリエル・バンサンの考えた「くまの アーネストおじさん」の世界では、「くま」はおとなの象徴、「ねずみ」は子どもの象徴なのかも知れません。
人間はまた別扱いで、動物と楽しく交流
ただ、人間はまた別扱いで、11冊目の『アントワーヌからの てがみ』で登場し、「くま」と「ねずみ」と「人間」が楽しく交流します。
この三者が対等の関係というのは、絵本の世界ならではの楽しさです。
12冊目の『セレスティーヌとプラム』でも、人間の子どもたちがちょっとだけ、顔を出します。
この動物種(?)の扱いについては読者それぞれの見解が分かれるところでしょう。
BL出版から出版
BL出版から、本シリーズ20冊、番外編としてデッサン絵本が2冊出版されています。
サイズは、ほとんどの巻が21×24cmです。
但し、『セレスティーヌのクリスマス』と、『アントワーヌからの てがみ』は25×25cm、『セレスティーヌとプラム』は23×32cm(大型)です。
また、番外編のデッサン絵本は2冊とも19×26cmです。
文字は少なく、ひらがなとカタカナが主なので幼児から読めます。
一部の巻に漢字が使われていますが、ごく少数です。各ページに漢字の有無を掲載しています。
1冊づつ、独立して読める作り
『かえってきた おにんぎょう』から始まって、20冊目の『セレスティーヌの おいたち』が最終巻です。
それぞれ一冊で完結のストーリーになっていて、どの巻から読んでも楽しめます。
1冊目は『かえってきた おにんぎょう』を
セレスティーヌはペンギンのぬいぐるみのシメオンをとてもかわいがっていて、どの巻にもシメオンはさりげなく登場します。
『かえってきた おにんぎょう』はこのシメオンを巡って、アーネストとセレスティーヌの性格や、二人(二匹?)の心のつながりがよく理解できる物語です。
このシリーズの性格がはっきり現れているので、この『かえってきた おにんぎょう』を読んで面白くなかったという人には、このシリーズは合いません。
これから初めてこのシリーズを読む方にはリトマス試験紙的な意味で、『かえってきた おにんぎょう』をおすすめします。
なお、「くまのアーネストとねずみのセレスティーヌがなぜ親子のように暮らしているのだろう?」という疑問の答えは、最終巻の『セレスティーヌの おいたち』と、番外編のデッサン絵本『セレスティーヌ アーネストとの出会い』にあります。
(下の画像は、セブンアンドワイのリンク。)
数々の賞を受賞
このシリーズは、「米国スクール・ライブラリー・ジャーナル選定最優秀作品」「ニューヨーク・タイムズ選定最優秀イラストレーテッド・ブックス」「ベルギー文部省年度賞」「ラ・フォンダシオン・ド・フランス賞」などを受賞。
また、「サンケイ児童出版文化賞推薦」「日本図書館協会選定図書」です。
デッサン絵本について
デッサン絵本として出版されている2冊のうち、『セレスティーヌ アーネストとの出会い』は1988年(昭和63年)度の「ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞」受賞作品です。
このデッサン絵本は、茶色のペン画で、背景などもあまり描きこまれてはいません。シリーズ本編より文字は少ないのですが、絵の鑑賞眼が要求されることから、幼児向きとは言えません。
絵に興味のある中学生以上から、おとな向きと思います。
シリーズ全巻のタイトル、価格
なお、本そのものには番号は振られていませんが、このページでは便宜上、番号をつけて掲載しました。
BL出版の目録順に掲載しています。(出版順ではありません。)
以下のリンクは、このサイト内の各巻の説明ページに飛びます。
| 書名 | 初版発行年 | 税込価格(5%) | |
| 1 | かえってきた おにんぎょう | 1983年 | ¥1,365 |
| 2 | ふたりは まちの おんがくか | 1983年 | ¥1,365 |
| 3 | あめの ひの ピクニック | 1983年 | ¥1,365 |
| 4 | ふたりで しゃしんを | 1983年 | ¥1,365 |
| 5 | まいごに なった セレスティーヌ | 1985年 | ¥1,365 |
| 6 | ふたりの おきゃくさま | 1985年 | ¥1,365 |
| 7 | びょうきになった アーネスト | 1988年 | ¥1,365 |
| 8 | ふたりの インテリア | 1988年 | ¥1,365 |
| 9 | サーカスが やってきた | 1989年 | ¥1,365 |
| 10 | セレスティーヌのクリスマス | 1983年 | ¥1,680 |
| 11 | アントワーヌからの てがみ | 1991年 | ¥1,533 |
| 12 | セレスティーヌと プラム | 1993年 | ¥1,838 |
| 13 | アーネストが ころんだ | 1995年 | ¥1,365 |
| 14 | ちいさな もみの木 | 1996年 | ¥1,470 |
| 15 | ふたりで めいろへ | 1999年 | ¥1,365 |
| 16 | とおいひの うた | 1999年 | ¥1,470 |
| 17 | セレスティーヌの きまぐれ | 2000年 | ¥1,365 |
| 18 | セレスティーヌの こや | 2002年 | ¥1,365 |
| 19 | ボレロが やってきた | 2002年 | ¥1,365 |
| 20 | セレスティーヌの おいたち(最終巻) | 2003年 | ¥1,365 |
| デッサン絵本 | |||
| 1 | セレスティーヌ アーネストとの出会い | 1988年 | ¥2,520 |
| 2 | あの夏 | 1995年 | ¥2,520 |
このシリーズのほかに、ガブリエル・バンサンの絵本が20冊余り、BL出版より出版されています。リストはこちらです。
このページの情報は、BL出版の目録などによります。
また、以前出版されたBL出版の本には「ブックローン出版」と印刷されているものがありますが、現在は「BL出版」となっています。
