26×21cm
14×10cm(ミニ版)
(アメリカ)
マイク・セイラー 作
ロバート・グロスマン 絵
いまえ よしとも 訳
偕成社
26×21cm ¥1,260(本体価格¥1,200+税5%)
14×10cm(ミニ版) ¥714(本体価格¥700+税5%)
アメリカの作家、マイク・セイラーの絵本。読み聞かせに向く本です。オールカラーで左開き、セリフはひらがなとカタカナだけです。
『ぼちぼちいこか』のあらすじ(半分位まで)
カバくんが、消防士になれるだろうかと、ホースを持ってはしごに向かって走っています。しかし、はしごに登ったところでアクシデント発生。
それでは船乗りはどうだろうかと、船に乗ろうとします。しかし、またもアクシデント発生。
次はパイロットはどうかと飛行機に乗り込みます。しかし、またまたアクシデント発生。
それでもめげないカバくんは、バレリーナにも挑戦します。しかしこれまた、アクシデントが発生。
相次ぐアクシデントの山をものともせず、カバくんは果敢に次の職業に挑戦します。
思わず笑い出す楽しい絵本に読者への優しいメッセージ
この絵本『ぼちぼちいこか』の主人公のカバくん(文中に名前は出てきません)は、表紙の絵を見てわかるように、体つきがたくましく、やる気も満々。「あらすじ」で述べた以外にもさまざな職業に挑戦します。
この挑戦の過程が、絵本の王道である「繰り返しの楽しさ」であり、読者は「次はどんな仕事?」「これはどんなオチ?」とページをめくらずにいられません。
このカバくんの姿に託す作者のメッセージは題名通り、「ぼちぼちいこか」、「うまく行かないことがあっても思いつめずに、一休みしながら長丁場の人生を歩いて行きましょう。」ということでしょう。
この絵本は、幼児であれば笑って楽しむだけかも知れませんが、ストレスを感じている大人にはホッと一息つかせてくれて、はりつめていたものをほぐしてくれそうな気がします。
かわいらしい絵をひきたてる関西弁のセリフ
この絵本では、エア・ブラシを使用して描いたというデフォルメされたかわいい絵と、なぜか関西弁のセリフが絶妙のコンビネーションで、作者のメッセージをユーモラスに表現しています。
エア・ブラシというのは、絵を描くためのスプレーガンのことで、水性のアクリル絵の具やラッカー(塗料)などを使用するそうです。
カバくんの絵は、特に大きな眼の動きが感情をダイレクトに伝えてくれて、それだけでもかなり楽しく、その上に添えられた関西弁のセリフが、楽しい絵をさらに引き立てています。
オチのセリフは、原作の英語版では“No”の繰り返しだけということです。直訳すると「だめ」にしかなりません。しかし、この日本語版では「問い」と「答え」の訳の大部分が韻を踏んで、楽しい言葉遊びになっています。この訳がユーモラスさをさらに盛り上げ、より印象に残る絵本にしています。
訳者のいまえ(今江祥智)さんは関西出身だそうです。出自を活かした、この絵本の関西弁のセリフは大成功だと思います。
この本の英語の原題は“WHAT CAN A HIPPOPOTAMUS BE?”です。これは直訳すると「カバは何ができるか」ということになってしまいます。それをいまえさんのセンスで、本の内容から「ぼちぼちいこか」にしたことで、題名も親しみやすくなったと思います。
いまえさんが関西弁を使った絵本が他にも
いまえさんが訳に関西弁を使っている絵本は、他にドイツ人作家ヴォルフ・エァルブルッフの『クマがふしぎにおもってたこと』(ブックローン出版社)があります。これは上野陽子さんとの共訳のほのぼのとした性教育絵本で、1993年(平成5年)に初版発行されています。
この本は『ぼちぼちいこか』のように訳全体が関西弁ではなく、一部分だけに効果的に使われています。
出版社の年令指定は「3才から」
この本では漢字は使っていません。文章の量も少なく簡潔です。多くはひらがなです。少し使われているカタカナには、ていねいにひらがなのルビが振られています。
出版社の年令指定は「3才から」です。確かに絵そのものは幼児向けと言えますが、おとなの方がセリフのおもしろさを味わえると思います。
「26×21cm」の版のほかに、「14×10cm」ミニ版があります。
作者のマイク・セイラーについて
作者のマイク・セイラーは1936年(昭和11年)アメリカのロサンジェルス生まれ。作家であり、マンガ家でもあり、作詞やテレビの演出もするということです。
この『ぼちぼちいこか』のアメリカでの初版発行は1975年(昭和50年)。日本での初版発行は1980年(昭和55年)です。
他に、『わゴムはどのくらい、のびるかしら?』(ほるぷ出版)など。
画家のロバート・グロスマンについて
画家のロバート・グロスマンは1940年(昭和15年)アメリカのニューヨーク生まれ。エール大学美術学科卒で、雑誌「ニューヨーカー」の時事マンガの編集後、さし絵画家。
訳者のいまえよしともさんについて
訳者のいまえよしとも(今江祥智)さんは1932年(昭和7年)大阪生まれ。同志社大学英文科卒。童話作家、評論家。多数の児童文学、訳書、評論などを発表。
児童文学作品に『優しさごっこ』『ぼんぼん』、絵本に『龍』『なんででんねん天満はんー天神祭』、訳書に『すてきな三にんぐみ』『老夫婦』『ナビル』(絵本)、評論に『絵本のあたたかな森』など多数。
『ぼちぼちいこか』のオンライン書店のページ
26×21cm
ぼちぼちいこか(アマゾン)
ぼちぼちいこか
(セブンアンドワイ)
14×10cm(ミニ版)
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☆いまえよしともさん訳の、一部に関西弁を使っている絵本
クマがふしぎにおもってたこと(アマゾン)
クマがふしぎにおもってたこと
(セブンアンドワイ)
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