31×23cm
(ベルギー)
エルジェ 作
川口 恵子 訳
大川 おさ武 文字
福音館書店
¥1,680(本体価格¥1,600+税5%)
原作の5冊目、福音館書店では14冊目
原作発表は1936年(昭和11年)。原作の出版順は、5番目。福音館書店の出版順では14番目です。
『青い蓮』のあらすじ(冒頭部分のみ)
主な舞台は1931年(昭和6年)頃の中国です。
前作『ファラオの葉巻』で出会ったガイパジャマのマハラジャの宮殿で、のんびりしていたタンタンのもとへ東洋人男性が訪ねて来ます。
しかし、詳しい話を聞く暇もなく、彼はラジャイジャの毒矢に刺されて発狂します。わかったのは、何か助力を乞いたいことと、「上海」(シャンハイ)と「ミツヒラト」のふたつの言葉だけ。
早速、上海に向かったタンタンは、ホテルに着いた途端に「ミツヒラト」という人物からメッセージを受け取り、彼に面会します。
「ミツヒラト」という日本人は、マハラジャが危ないのですぐインドに戻るようにと話し、タンタンは戻ろうとします。
しかし、船上でクロロホルムをかがされて、上海に逆戻り。ワン・チェンイーという中国人からアヘンの密売組織に抵抗するため、インドにいたタンタンに使いを出した、と聞きます。
歴史的事実を基にタンタンの大活躍の巻
この巻の時代背景について、巻頭に編集部からの説明があります。エルジェは歴史的な事実を基に、タンタンを縦横無尽に活躍させています。
どの巻でも、タンタンは何度も命を狙われたり、死刑になりそうになったり、危険の連続ですが、この巻もすごい。
深刻な状況でもユーモアがあり、楽しめる構成
悪役が日本人なので、読み始めのうちは少々、辛い気にもなりますが、読み進むうちに物語の中に入り込んで、純粋にタンタンの冒険として楽しめます。
深刻な状況でもユーモアを忘れない構成のおかげでしょう。おなじみの刑事デュポン、デュボンのおとぼけコンビも重苦しくなりそうな物語を、エンターティメントに仕立てることに貢献しています。
中国人のチャン少年のモデルは実在
この巻では中国人のチャン少年が登場します。実際にエルジェには中国人留学生のチャンという友人がいて、この物語のチャン少年のモデルです。後の『タンタンチベットを行く』で、チャン少年は再登場します。
この巻で、中国人の立場から物語を描いたので、エルジェは1939年(昭和14年)に蒋介石夫人より中国に招待されました。しかし、当時の社会状況のせいで訪問できなかったそうです。
リアルすぎない日本人名がこの物語に合う
「ミツヒラト」は、漢字に直すと多分「平戸光」あたりでしょうか。「ミツ」の後になにかついた方が自然な気がします。「ハラノチ将軍」というのも登場しますが、こっちは「ハラ」だけの方が良いのでは、と思います。
でも、あまりリアルな日本人名よりも、両方ともこの名前の方が物語に合っているかも知れません。
エルジェの東洋人と白人の描き分けの画力に注目
「ミツヒラト」の顔は、悪役として誇張されすぎのようにも思いますが、それにしてもエルジェの、東洋人と白人の描き分けの画力はさすがです。
物語を楽しむと共に、当時の社会状況や中国の風俗などに、歴史的な興味を持たせてくれる巻と言えます。
『青い蓮』のオンライン書店のページ
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『青い蓮』関連のホームページ
「タンタンの冒険旅行」シリーズの出版社
福音館書店
タンタンの公式ホームページ
TINTIN JAPAN
作者 エルジェの母国 ベルギーに関するホームページ
ベルギー観光局