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物語以外の絵本のフロア物語以外の絵本     出版社の年令指定管理人の年令指定小学上級から

「歴史を旅する絵本」シリーズより
   『江戸のあかり ―ナタネ油の旅と都市の夜―』

『江戸のあかり』 この画像はリンクしていません

29.8×23.7cm
(日本)
塚本 学 文
一ノ関 圭 絵
岩波書店
¥2,415(本体価格¥2,300+税5%)


江戸時代のあんどんの油についての絵本

1990年(平成2年)第一刷発行。この絵本は、江戸時代のあかりとして用いられたあんどんの油についての作品です。

あんどんの油の原料「菜の花」から描かれる

あんどんの絵が最初に出て来るのだろかと想像してページをめくったところ、思いがけずに広い田畑と川の流れの風景が描かれていて、引きつけられました。

これは淀川べり、現在の大阪の市街地です。あんどんの油を絞るための、菜の花を育てる地から描かれているのです。

続いて田を作ったり、苗を植えるなど農作業の順番に従って描かれます。その次は農家の手を離れての油しぼりが描かれます。

そして大坂港(江戸時代は「大阪」ではなくて「大坂」)から江戸へ運ばれるまでの船の旅の様子が描かれ、次に江戸へ着いた油がどのように売られて、どのように使われるのかが描かれ、おしまいは、江戸の町を俯瞰する絵で締めくくられます。

「あかり」=「菜の花」という事実をおとなも楽しく読める作り

電気のない江戸時代にあかりを使うためには、まず菜の花を育てなければならなかった、というのは現代人にとってはおもしろい事実だと思います。

この本は、年令指定が小学5、6年以上からの児童図書ですが、テレビや映画の時代劇の背景を見ているようで、おとなも楽しめると思います。教科書ではここまで取り上げてくれません。

油絵風の写実的なタッチ

この本は左開きで、「1ページにひとつの絵」は4枚ほど、大部分は「見開き2ページでひとつの絵」です。ページの下部には2行の説明文があります。

絵は、油絵風の写実的なタッチです。「絵」の一ノ関圭さんは、マンガ家だそうですが、マンガ風のタッチではありません。

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理解を助けるための江戸時代についての解説も

巻末には江戸時代の農業、政治、社会全般についての解説が付けられています。

個々の絵に対応する説明は8割方の絵に付けられています。また、船のどのあたりにどのような荷を積んでいたか、船のイラストに番号を振って書かれています。「あんどん」や「ぼんぼり」、「瓦灯(がとう)」などのペン画もあります。

農業はすべて手作業の上、政府に買い叩かれた

この本に描かれた19世紀の農作業は、機械が全くなくてすべて手作業、想像しただけでも大変そうです。しかも、江戸の灯油の値段を抑えるために、政府に安く買い叩かれたとは、農家の人たちが気の毒です。

「あんどん」は創意工夫を重ねる

あんどんについては、デザインの改良や、携帯できるものがあったり、芯を調節して油を節約する工夫をしたりしています。こういう点は、現在の日本のもの作りと共通する点があって、親近感が湧きます。

江戸時代のもの作りの考えが、今も受け継がれているということでしょう。

「たきび」から「電気」までの表も掲載

また、一目で原始の頃の「たきび、たいまつ」から「電気」まで移ってゆく年代がわかる、日本の光源についての興味深い表が掲載されています。

「あかり」について考えさせてくれて、そして江戸時代の人々の暮らしを身近に感じさせてくれる絵本です。

「文」は塚本学さん

「文」の塚本学さんは1927年(昭和2年)、福岡県生まれ。この本の初版が出版された1990年(平成2年)当時は、国立歴史民族博物館教授。

「絵」は一ノ関圭さん

「絵」の一ノ関圭さんは1950年(昭和25年)、秋田県生まれ。前述したように、マンガ家です。この「歴史を旅する絵本」シリーズの『絵本 夢の江戸歌舞伎』でも、絵を担当しています。

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『江戸のあかり』のオンライン書店のページ

29×22cm

 江戸のあかり―ナタネ油の旅と都市の夜(アマゾン)

 江戸のあかり ナタネ油の旅と都市の夜 icon(セブンアンドワイ)


『江戸のあかり』関連のホームページ

『江戸のあかり』の出版社
      岩波書店児童書編集部


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